義歯・インプラントで噛めば、認知症などになりにくくなる!
歯と認知症の意外な関係
認知症は要介護の大きな要因の一つで、現在、85歳以上の25〜30%、つまり3〜4人に1人が認知症になっていると言われています。
2015年1月に発表された政府の2025年における予測では、なんと、65歳以上の約700万人が認知症になるだろうと言われています。
1.要介護状態の人のお口の健康状態が、そうでない人のお口の健康状態と比べて良くないということは以前より知られています。
2.要介護状態だから適切な口腔ケアができず、お口の健康状態が悪い、というのは因果関係としてわかりやすい話です。ですが、近年の研究によると、それとは逆に、お口の健康状態の悪化から認知症を発症したり、転倒しやすくなったり、骨折のリスクが高まったり、といったことが起こりやすくなることがわかってきています。
3.言いかえれば、お口の健康状態を改善していくことで、アルツハイマー型認知症などによって寝たきりになるのを防ぐことができる、と言えるでしょう。
アルツハイマー型認知症を引き起こすと言われている「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質は、奥歯を失うことで増加することがわかっています。マウスを使った実験では、奥歯を失うと、アミロイドβが増加し、奥歯を補うことでアミロイドβの値が正常値になるという結果が出ています。つまり、歯を失うことはアルツハイマー型認知症を起こす原因となります。
図は、アルツハイマー型認知症が進行していく経過を示しています。アルツハイマー型認知症の原因タンパクであるアミロイドβが脳内に蓄積されていくことで、アルツハイマー病は発病・進行していきます!!
65歳の4425人を対象に、認知症と咬合の関係について4年間にわたって行われた追跡調査があります。
それによると、
「歯がほとんどなく義歯を未使用の人」と「歯が20本以上ある人」とでは、認知症発症のリスクが1.85倍も違うことがわかります。
「歯がほとんどなく義歯を未使用の人」と「歯が20本以上ある人」とでは、認知症発症のリスクが1.85倍も違うことがわかります。
また、
「歯がほとんどなく義歯を未使用の人」のハザード比(リスクと同義)は、「歯がほとんどなく義歯を使用している人」のハザード比と比較すると、(1.85−1.09)/1.85=0.41(41%)となり、歯がほとんどなくても、義歯を入れることで認知症を発症するリスクを4割程度抑えられる、と解釈できます。