自分の本当の歯のようにしっかりと噛むことが出来て、見た目もきれいなインプラントの歯。
その機能性と審美性から、治療を検討されている方も多いのではないでしょうか。高い技術を駆使して行われるインプラントの治療ですから、少々治療費はお高くなってしまいます。高い費用をかけてしっかりと治療するのですから、インプラント治療をする前に、治療に最適な口内環境を整えておきたいですよね。実際に、インプラント治療に影響がでてしまう口内の病気がありますから、検査をしっかりと受け、事前に治療をしておきましょう。
インプラント治療の前に受ける事前検査
●血液検査
●CT検査
●レントゲン検査
●アレルギー検査
●口腔検査
このほかにも、尿検査や心電図など、手術をする際に必要な検査を行うこともあります。インプラント治療は、歯茎を切開してあごの骨にインプラントを埋め込む外科手術をする必要があります。口内の状態はもちろんのこと、口内以外の全身の状態を検査し、手術ができるかどうか判断します。より安全な手術を行うためにも、検査をしっかりと受けることは大切です。
インプラント治療の前に治すべき口内の病気
虫歯
重度の虫歯は、歯茎の炎症の原因になります。インプラント治療では、歯茎を切ってその先のあごの骨にインプラントを埋め込む手術をしますから、歯茎が腫れては手術ができません。虫歯がインプラントを埋め込む場所ではなかったとしても、虫歯菌をもっている以上は、他の歯への影響も考えられますから、インプラント治療の前には必ず虫歯の治療を済ませておきましょう。
歯周病
最も注意すべき口内の病気が歯周病です。歯周病は、虫歯と同じく歯茎の炎症を引き起こします。そればかりではなく、歯と歯茎の隙間からどんどん歯茎の内部へと侵入し、歯を支える骨まで溶かしてしまう恐ろしい病気です。歯周病にかかったままインプラントの手術をしてしまうと、手術をした部分が歯周病菌に侵され、最悪の場合はインプラントを埋め込んだ骨が歯周病菌によって溶けてしまい、インプラント本体が抜け落ちてしまうという可能性もあります。
また、天然歯と同じように、インプラント自体にも歯周病のような炎症が起きる場合があります。インプラント周囲炎と呼ばれるこの炎症は、歯周病菌が大きく関わっているので、歯周病を治療せずインプラントの手術をしてしまうと、術後のインプラントの状態にも悪影響をおよぼすことになるのです。
かみ合わせ
意外かもしれませんが、かみ合わせある程度は治療しておいた方が良い症状です。かみ合わせが極端に悪いと、噛みしめや歯ぎしりを起こしてしまいます。噛みしめや歯ぎしりは、歯にかなりの力が加わり、歯やあごへの負荷も大きいので、インプラントに問題を起こす可能性があります。
顎関節症
インプラントはあごの骨に埋め込みますから、あごの状態の確認も治療をする上で大切なことです。インプラント治療を行うことによって、顎関節症が悪化してしまう恐れもありますので、あごの骨や関節等に問題があれば、まずはそのの状態をしっかり整えることが先決になります。また、顎関節症の治療歴がある方は、インプラント治療によって顎関節症の再発も可能性としてはあり得ますので、歯科医師にあらかじめしっかりと相談されてください。
インプラント治療の前に気をつけると良いこと
飲酒、喫煙を控える
普段飲酒、喫煙をしているからといって、インプラントの治療が受けられないというわけではありません。しかし、治療の前や治療中も普段通り飲酒、喫煙をしていると、あごの骨と埋め込んだインプラントがなかなか結合しないといった事態につながることもあります。インプラント治療が失敗してしまうリスクが高くなりますから、治療前と治療中、治療後しばらくは、飲酒、喫煙を控えるようにしましょう。
体調を整えておく
お口のことだけでなく、身体全身の体調管理は大切です。風邪をひいて熱が出てしまったら、予定していたインプラントの手術を延期せざるを得なくなります。熱がでなくてただの風邪かな?と思っていても、術後に思わぬかたちで影響がでてしまうこともありますから、体調管理はしっかりとしておきましょう。
治療内容、方針を理解しておく
インプラントは外科手術をともなう治療方法です。手術ですから、少なからず体に負担もかかります。自身の状態をしっかりと把握したうえで、歯科医師の治療方針をしっかりと聞き、疑問があれば納得できるまで話し合いましょう。疑問がのこったまま治療を進めても、あとあと問題が発生したり、不安になったりしてしまいます。事前の認識のすり合わせが大切です。