あごの骨にインプラントを立てて人工歯を固定するオールオン4は歯周病があってもできるのでしょうか?
歯周病は歯を失う原因のナンバーワンの病気で、その原因菌である歯周病菌はインプラントにも同様のダメージを与えることが分かっています。
そこで今回は、歯周病があってもオールオン4は可能なのか、ということについて見ていきたいと思います。
オールオン4とは

オールオン4とは、歯のインプラント治療の一種で、上あごもしくは下あごの歯をすべて失った場合、もしくはほとんど失った場合に片あごに4〜6本のインプラントを埋め込み、それを支えとして人工歯を固定する治療法です。
従来のインプラント治療ではすべての歯を失った場合、片あごに少なくとも10本以上のインプラントを埋め込む必要がありましたが、オールオン4なら少ない本数で歯を全体的に回復することができます。
歯周病とは

歯周病とは、歯を支える歯茎や骨などの組織が細菌感染により炎症を起こし、歯茎の腫れや骨の破壊を起こす進行性の病気です。
歯の周囲組織に起こる病気なので、虫歯のように1本の歯単独でかかるというよりは複数の歯が同時にかかる傾向があります。
歯周病菌はインプラント周囲にも感染を起こすことがあり、「インプラント周囲炎」という状態となって進行するとインプラントが抜け落ちる原因になります。
歯周病がある場合のオールオン4はどうなる?
歯周病がある場合でもオールオン4治療を行うことは可能です。
ただし、歯周病の状況によっては治療が難しくなったり、インプラントにリスクが及んだりする可能性があります。
重度の歯周病が原因で骨が大きく失われている場合
たとえば、重度の歯周病によって歯を失ってオールオン4をする場合、その部分のあごの骨は大きく失われていることが多く、インプラントを埋めにくくなることがあります。とはいえ、オールオン4は少ない骨の状態にも対応しやすい治療法ですので、多くの場合にはインプラントを埋め込むことが可能です。
歯周病の歯が残っている状態でオールオン4をする場合
片方のあごにオールオン4をして、もう片方のあごに歯周病にかかっている歯がある場合、歯周病菌がオールオン4のインプラントへ感染しないように注意が必要となります。
そのため、歯周病のある方がオールオン4治療を検討している場合、まずは残っている歯の歯周病治療をしっかりと行い、歯周組織を健康な状態にしてからインプラントを埋めるようにします。
また、歯周病にかかっている歯は定期メンテナンスをして健康な状態を保ち、歯周病を再発させないことが大事です。
もし、重度の歯周病がある場合には、無理に残しておくとインプラントへ悪影響を及ぼす可能性があるため、抜歯を検討することもあります。
歯周病をお持ちでオールオン4を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。