オールオン4は歯が全くない方、もしくはほとんどない方向けのインプラント治療法です。オールオン4はインプラントを骨に埋め込む必要があるので、骨の状態がどのような状態であるか、というのはとても重要な問題です。
骨に問題をきたす病気として、骨粗しょう症という病気があり、とくに閉経後の女性に多く見られますが、骨粗しょう症でもインプラント治療は可能なのでしょうか?
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨の密度が低くなったり骨の質が劣化したりすることにより、骨がもろく、スカスカになって、骨折しやすくなる病気のことです。
骨は細胞によって常に造られたり壊されたりといったことを繰り返し、常に新しく生まれ変わる「新陳代謝」を行っています。ところが、骨粗しょう症になると骨を壊す細胞の働きが活発になるため、骨の質がだんだんと悪くなっていってしまいます。
女性は男性に比べて骨の量がもともと少ないのですが、更年期以降はそれに加えて、
女性ホルモン分泌が低下することにより骨の破壊がさらに進んでしまいます。その結果、閉経後に骨粗しょう症を患う人は多く、60代で三人に一人、70代で二人に一人がかかっていると言われています。
骨粗しょう症は、顎や歯の周囲の骨にも例外なく影響を及ぼします。そのため、インプラントをおこなう場合にも、骨粗しょう症であるかそうでないか、というのはとても重要な問題になってきます
骨粗鬆症でもオールオン4は可能?
骨粗しょう症で骨不足になっていると、インプラントが難しくなるケースも確かに出てきます。ですが、骨粗しょう症だからと言ってインプラントができないわけではありません。
オールオン4の場合には骨がある程度少なくなっていても、比較的骨の量が多い部分に少数本埋めるだけでいいので、通常のインプラントよりも治療できる可能性が高くなります。
また、インプラントを骨に埋め込むことで骨に刺激が伝わり、それ以上の骨の吸収を防ぐプラスの効果も期待できます。
骨粗しょう症でインプラント手術に注意が必要になる場合
骨粗しょう症の方がインプラント手術に関して注意したいのは、骨粗しょう症の治療薬として「ビスホスホネート製剤」などの薬剤を服用している場合です。
ビスホスホネートに代表される薬剤は、あごの骨に対する手術(抜歯、インプラント、歯周病の手術など)をおこなうと、副作用として骨が壊死する場合があることが報告されています。
その頻度としては内服の場合で1万人に1〜2人程度、注射投与では100人に12人程度と報告されており、全ての方に起こるわけではありませんが、この結果からいっても慎重に検討したほうが良いでしょう。