インプラントは、噛み心地がとてもよく、天然の歯と同じように食事を楽しむことができます。
しかし、インプラントは外科手術を伴う治療のため、トラブルが起こらないとは限りません。定期的なメンテナンスを受けることで異常があれば早期発見することができますが、毎日自分で丁寧にお手入れすることも重要です。それでも、インプラント治療部分に何かトラブルが起きてしまった場合、どのように対処したらよいのでしょうか。
歯茎からも膿が出る!
これはインプラント治療中や治療後の口内においても同じことが言えます。インプラントは歯茎に人工歯の土台となるネジを埋め込むために、手術を行います。そのため、インプラントの周りに細菌がついてしまい傷口が膿んでしまうことがあるのです。
では、なぜインプラント治療をした部分が膿んでしまうのでしょうか?
考えられる原因の1つは、インプラントと顎の骨の間が細菌感染してしまったこと、もう1つはインプラントの周りの組織が細菌に感染してしまったことです。もちろん、インプラント治療中は細菌に感染しないように十分注意していますが、それでも稀にこのようなケースも起きてしまいます。
もう1つ、自分のメンテナンス不足が原因になってしまうことがあります。これは、インプラント治療中や直後は何も問題がなかったのに、その後の過ごし方が原因になってしまうケースです。磨き残しなどによって口内が不潔な状態が続いていたり、歯医者さんに指示されたメンテナンスを受けていなかったりするとインプラントの周りに細菌が感染し、膿がでてしまうことがあります。細菌は目に見えないものなので、鏡で見て綺麗だから大丈夫!と侮っていると大変なことになってしまうのです。きちんとセルフケアを行うことはもちろんこと、歯医者さんで定期的なメンテナンスを受けることで防ぐことができます。
早めの受診が一番
第一に、できるだけ早く歯医者さんへ行って適切な処置を受けましょう。歯茎から膿が出た場合、放っておいても自然によくなることはありません。炎症がひどくなって腫れや痛みも強くなってしまうこともあります。最悪の場合、インプラントと骨がきちんと結合されず、インプラントを取り外さなくてはならなくなってしまいます。それだけにとどまらず、骨がやせ細ってしまい、見た目やその後の治療にまで影響が出てしまいかねません。症状が軽いうちは歯医者さんで消毒と洗浄してもらうことで炎症が治ることもあります。
すぐに受診できない場合の対処法は?
ブラッシングやうがいをして口内を清潔に保つようにしましょう。刺激の少ないデンタルリンスやうがい薬を使用するのもよいでしょう。食事は、刺激で炎症がひどくなったり痛みが増すことがないように、熱すぎるものや硬いもの、辛いものは避けてください。また、かかりつけの歯医者さんにすぐに行くことが難しい場合は、まず連絡して相談みてください。自治体の夜間や休日診療利用して相談することもよいでしょう。
他にもこんなインプラントのトラブル
歯茎の腫れ
腫れは、傷口を治すために起こるものなので通常であれば問題ありません。腫れる大きさや期間は個人差があるので、慌てずに様子をみましょう。
痛み
手術後1週間ぐらいは、ジーンとするような痛みがあっても問題ありません。しかし、痛みが長期間続く場合は骨に原因がある場合があるので、歯医者さんに診てもらう必要があります。
唇の麻痺、しびれ
原因はいくつか考えられますが、自然に治っていくようであれば問題ないでしょう。ただ、埋め込んだインプラント体が神経を圧迫している可能性があるので、歯医者さんで診てもらうとよいでしょう。インプラントを交換する必要があるかもしれません。
放って置かずに早めに相談しましょう
しかし、その一方で、トラブルが起こらないとも限りません。丁寧なセルフケアや、定期的なメンテナンスをうけることでトラブルを回避することもできますが、インプラント治療を成功させるためにもまずは、自分が正しい知識をきちんと身につけることも重要でしょう。
メリットやデメリットを正しく理解して長く使っていけるような生活を心がけましょう。また、違和感や気になることがあれば信頼できる歯医者さんに早期に相談することも大切です。