見た目の美しさ(審美性)が非常に高く、ワンデーインプラントとも呼ばれる通り、手術のその日に人工の新しい歯を装着できるオールオン4。
事故や病気で歯をなくしてしまった方でも、天然歯に限りなく近いものを得られるとあって、注目されているインプラント治療です。オールオン4に限らず、インプラントは半永久的に使用できるといわれていますから、施術後は新しい歯と長く付き合っていくことになります。ただ、半永久的といってもそれはきちんとケアができていればのこと。より長く快適に過ごすために、オールオン4の施術後だからこそ意識したい歯みがきの方法やケアについてご紹介します。
オールオン4でも歯のトラブルは起こる?
インプラント周囲炎
インプラントや人工歯そのものが虫歯になることはありませんが、歯茎など、インプラントを支える周辺組織にトラブルが起こる可能性は十分にあります。その代表的なものが、インプラント周囲炎です。人工歯と歯茎の間など、歯の隙間に食べかすや細菌が溜まることで周辺組織が炎症を起こし、歯茎から出血や腫れが生じるというものです。症状は歯周病に似ており、悪化するとインプラントを支えている骨にまで影響を及ぼします。インプラント周囲炎が顎の骨にまで及んでしまうと、骨や周辺組織が弱ってしまい、最悪の場合はインプラントが根元から抜け落ちてしまうこともあります。
このように、インプラントでも歯のトラブルは起こります。トラブルを未然に防ぐためには、日々の歯みがきなどセルフケアはとても重要になってきます。
オールオン4をした後の歯みがきの方法
用意するもの
普通の歯ブラシ、ワンタントブラシ(歯ブラシの毛先がひと房のもの)、フッ素や研磨剤が含まれていない歯みがき粉
普通の歯ブラシでしか歯みがきをしていないという方は、是非ともワンタントブラシを用意することをおすすめします。奥歯など、通常の歯みがきで磨きにいく部分をしっかりと磨くことができ、インプラントとブリッジの隙間汚れを落とすのにも便利です。また、歯みがき粉選びにも気を付けたいところです。オールオン4に使用するボルトには、ほとんどの場合チタンやチタン合金といった金属用いられています。これらの金属とフッ素の相性は悪く、フッ素がチタンを腐食させてしまう可能性があるのです。他にも、研磨剤入りの歯みがき粉は人工歯を削り傷をつけてしまうことがあります。人工歯に傷がついてしまうと、そこに歯垢が溜まりインプラント周囲炎などのトラブルにつながる恐れがありますので注意しましょう。
ワンタントブラシで一か所ずつ丁寧にみがいていく
人工歯と歯茎の間は特に汚れや細菌、歯垢が溜まりやすいので、一か所一か所丁寧に磨いていきます。歯茎とブリッジの隙間にブラシの毛が入り込むようにして、汚れをかき出すようにみがきましょう。
普通の歯ブラシでみがく
次に、普通の歯ブラシで歯と歯茎の間を重点的に、全体的を磨いていきます。ワンタントブラシでも歯と歯茎の間を磨きましたが、普通の歯ブラシでも磨くことで取り残した汚れを除きます。また、人工歯の表面にも汚れが付着していますから、こちらも念入りに磨いておきましょう。ただし、ゴシゴシと強く磨いてしまうと人工歯や歯茎を傷つける恐れがあるので、優しく丁寧に磨くことがポイントです。
歯医者さんでのプロケアも大切
先ほどのインプラント周囲炎は歯周病と同じく、進行に気が付かずそのままにしてしまい、発覚した時にはかなり状態が悪くなっているということが多くあります。定期的な検診を受けていれば、初期段階での治療が可能となり、治療時間や費用を抑えることができますし、インプラントが抜け落ちてしまうような最悪な事態を避けられます。せっかくオールオン4の施術を受けてきれいな歯を手に入れたのですから、その後のケアを丁寧に行い、一生ものとして長くつきあっていきたいのもですね。