歯の骨にインプラント体を埋め込む重要な治療であり、治療を行う前後の期間は体調管理や適切な対処が求められます。特に、手術後はインプラントを埋めた場所の傷の治癒を優先しなくてはいけないため、生活習慣において、いくつかの注意が必要になってきます。そこで今回はインプラントの手術後の生活における注意点についてご紹介したいと思います。
麻酔が効いているあいだの注意点
インプラントの手術は少々大がかりであるため、麻酔を念入りに効かせてから治療を行います。その影響により、術後から1時間以上経っても麻酔が効いていることはよくあることです。その場合、口のなかの一部の感覚が麻痺していることにより、うまくしゃべることができなかったり、唇が閉じられないといったようなことが起きます。
しかしそれらは麻酔が切れてくると自然に改善されるため、心配する必要はありません。ただし麻酔の影響により舌がうまく動かせず、誤って舌を噛んでしまったり、口の粘膜を噛んでしまうこともあります。
麻酔が効いているあいだはその痛みもあまり感じませんが、麻酔が切れたあとは強く噛んでしまった影響で痛みが出てきたり、傷ができてしまい口内炎になることもあります。よって手術後から数時間のあいだは、あまり人と会話をしないようにし、麻酔が切れるまで安静にすると良いでしょう。
手術後の歯磨きの注意点
よって手術を行ってから数日のあいだは、インプラントを入れたところの近くにはなるべく歯ブラシをあてないようにすることがベストです。
また、水で口をゆすぐ際もあまり何度もゆすぐとやはり固まった血が取れてしまうことがあります。口をゆすぐ際は優しく行うようにし、最低でも1回から2回程度にとどめましょう。
手術後の運動について
手術が終わってから1週間ほどは傷口に血の固まりができ、そこから歯ぐきの細胞が再生をはじめようとします。そのため余計な出血を引き起こすことは細胞の再生をさまたげてしまうおそれがあり、また痛みが強くなったり腫れを引き起こす原因になる場合もあります。
よって手術後は2週間ほど運動を控え、傷口がある程度治るまで安静に努めるようにしましょう。
手術後の食事について
よって麻酔が切れたことを確認してから食事を行うようにし、またあらかじめ手術前に食事を済ませておけば、手術後に空腹になるのを避けることもできます。
ふたつめは、食事で食べるものによってはインプラントを入れた部分の傷口を刺激してしまうおそれがあります。傷口を刺激してしまうおもな食べ物は、「熱いもの」「辛いもの」「硬いもの(弾力のあるもの)」などです。
「熱いもの」は、あまりに温度が高い場合、健康な歯ぐきや粘膜でもやけどをしてしまうことがあります。そのため傷口を強く刺激してしまうだけでなく、傷の治りを悪くしてしまうおそれがあります。「辛いもの」の場合も同様であり、香辛料の強い刺激は傷口の痛みや腫れの原因となるおそれがあります。「硬いもの(弾力のあるもの)」は、何度も噛んで食べなくてはいけないものです。
インプラントの手術をしたあとは、歯を十分に使うことができません。その状態でそういったものを食べれば、変な歯の使い方をしてしまうおそれがあり、それにより他の歯に大きな負担をかけてしまったり、顎を痛める原因になったります。よって手術後の食生活は、あまり温度の高くなく、たくさん歯を使わなくても食べられるものを食べるようにしましょう。
処方された薬について
それらの薬は手術後の傷口の治りに影響するものであるため、医師の指示をしっかり守って薬を飲むようにしましょう。特に「抗生物質」は傷口の感染や化膿を防ぐものであるため、傷口に痛みや異常が感じられなくてもすべて飲みきるようにしましょう。
また痛み止めの薬は、飲んでから効果があらわれるまで通常20分から30分ほどの時間を要します。そのため麻酔がまだ効いているあいだに痛み止めを服用すれば、麻酔が切れたあとでも継続的に痛みを感じることなくやり過ごすことができるので、参考にしてみてください。
手術後の注意事項は必ず守ること