現在はネットの普及によりインプラントにおけるさまざまな情報を患者自らが仕入れることが可能となっているため、昔よりインプラント治療が身近なものになってきています。
しかし、それでもいまだにインプラント治療の失敗はあとを絶ちません。この事実に多くの方は、「本当にインプラント治療は安全なのだろうか」と疑問を抱いていることでしょう。そこで今回はインプラント治療の安全性と、治療をするうえで伴うリスクについてご紹介したいと思います。
インプラントの失敗例
また実際に、インプラントを歯の骨に入れる際には注意点があります。上顎の歯の骨は、鼻の両サイドにある「上顎洞」という空洞とつながっており、下顎の骨のなかには「下顎管」という重要な神経が通っています。インプラントを上顎に入れる際は、インプラントが「上顎洞」のなかに入り込まないように注意する必要があります。対して下顎に入れる際は、「下顎管」を傷つけないように注意をしなくてはいけません。
そしてインプラント治療の失敗に多く見られるのが、先程のインプラントの「上顎洞」への脱落と「下顎管」の損傷なのです。そのほかにも顎の骨が少ないところにインプラントを入れてしまい、うまく骨とインプラントが結合しなかったりする失敗例もあります。
それらはすべて治療を行った医師の技量不足と経験不足によるものであり、ありがちと言ってもいい失敗例です。こういった失敗をしないことが当たり前の治療を行えることにより、初めて「安全性の高いインプラント治療」と呼ぶことができるのです。
安全性のあるインプラント治療
医師がインプラント治療をするうえで確認するべきなのは、大きく分けて「患者の顎の骨の状態」「患者の健康状態」「患者の主訴(治療に対する希望)」などです。「顎の骨の状態」を確認するためには、骨の状態を詳細に調べることができるCT(3Dレントゲン)の使用を欠かすことができません。
CTによって撮影した顎の骨の状態を正しく把握するための知識も必要となります。「患者の健康状態」の場合は、生活習慣病、全身疾患、精神疾患といった外科治療に影響を及ぼす可能性がある病気を患者が抱えていないか確認を行います。さらに「患者の主訴」に対しては、患者の言葉をよく聞き入れ、しっかり理解する必要があります。
またその主訴の内容がどこまで実現が可能か、どういったところまでが限界かなど、医師の判断を患者に理解させなくてはいけません。そのためには医師と患者とのコミュニケーションに時間をかけ、入念なカウンセリングを行う必要があります。
このように治療を開始する前にさまざまな確認を行い、問題なく治療ができるかどうかを判断できた上で、初めて「安全性の高いインプラント治療」は実現するのです。
インプラントのリスク
「リスク」とはいっても、それはすべて「%(パーセンテージ)」で示されるものであり、また治療を行う環境や設備、医師の技術、患者の健康状態などで変動します。
つまり「リスク」とは少なくできるものであり、それにより「成功率」を高めることにつながるのです。そのうえでインプラント治療に伴う具体的な「リスク」とは、おもに「麻酔によるリスク」「感染のリスク」などです。
「麻酔」のリスク
「麻酔」のリスクとは、麻酔を使用したことによって患者に何らかの変調が表れるリスクです。これはカウンセリングで薬剤アレルギーがないか、また過去に麻酔を使用して異変が表れなかったかなど確認を行うことで、事前にリスクに対応することも可能です。
「感染」のリスク
「感染」のリスクとは、インプラントの手術を行ったあとにインプラントが感染するリスクです。口のなかは雑菌があふれているため、投薬により感染を予防したり、常に口のなかを清潔に保つことにより感染を予防したりすることでリスクを低くします。
そのほかにも治療を行う医師の判断でさまざまなリスクが伴うことがありますが、いずれもリスクを避けるために適切な対処をすることにより避けることは可能なのです。
基本的に現在のインプラントは安全性が高い
しかし現在はすべてのインプラントがアレルギー反応を起こす可能性が低い「チタン金属」を使用しているため、滅多に金属アレルギーによるトラブルが出ることはありません。またCTやMRIといった検査機器にもあまり影響することがありません。
よって現在のインプラントそのものはとても安全性が高いといえ、それを扱う医師の技量と経験によって結果を左右することになるのです。インプラント治療に対してまだ不安を覚える方は、まず多くの実績を持つ信頼性の高い歯科医院において納得できるまで相談されてみてはいかがでしょう。