歯を失ってしまった場合には入れ歯以外にもインプラント治療という治療法があります。
入れ歯と比べて格段に噛む力が向上するため、インプラントを入れたい方も増えています。しかしながら、ケースによってはインプラント治療が難しいケースもあります。今回は、どのような場合にインプラント治療が難しいのかをご紹介。また、インプラント技術についても説明していきます。
持病があるケースでは薬の飲み合わせにも注意
持病で薬を服用している場合には、飲み合わせで問題が起きる可能性もあります。そのような症状を持っている場合、双方の医師に確認することが大切です。特に骨粗しょう症の方は顎の骨が壊死する恐れもあり、注意が必要です。
骨が痩せているとスペースが確保できない?
しかしながら、最近では技術の発展により、インプラント治療を行うことが出来るケースも増えてきています。骨量が不足してる場合の対処法として、骨移植があります。代表的なGBR法では、骨を増やしたい箇所に人工骨を入れ、その上を薄い膜でふさぎます。一定期間が経過すると骨と結合し、本来の骨として活用できるほどの丈夫な土台が作られます。一般的に3~6カ月で骨と結合するといわれています。この方法により骨量の不足を補うことが出来ますが、再生できる量にも限度があります。
一般的に幅を増やす治療は行いやすく、高さを出す治療は難しいといわれています。骨が細かったり、痩せているからとインプラント治療を諦めていた方はまず一度、歯科医院で治療を受けられるか相談をしてみましょう。
また、実際の治療ではサージカルガイドを使用して実際にインプラントを入れる位置や方向を誘導するようにします。CTで血管などの位置を確認し、ガイドを作成していきます。これによりインプラントを入れる際に神経や血管の位置をより確実に把握し、腫れや痛みの軽減につながります。サージカルガイドを使用することによって切開や縫合、出血を最小限に抑えることができるメリットがあるため、体への負担も小さくなります。
既往症ってなに?注意が必要なケースとは
歯周病によって歯や骨に悪影響が出ている場合には、まず歯周病を完治させてから治療を始めます。その他にも、心筋梗塞の既往症がある患者さまは再発防止のため血液をサラサラにする薬を服用しています。どのような既往症があり、どんな薬を服用しているかによって、インプラント手術の方法も変わってきます。歯科医院によっては専門の麻酔科の医師と共に手術を行うところもあるので安心です。心筋梗塞の既往症があるからといって薬の服用を止めてしまうのは、逆に心臓に負担がかかることにもなりますので、最近では服用したまま治療を行うケースが一般的です。
このように重大な病気の既往症があっても従来通りインプラント治療を受けることが出来るようになってきています。患者さまによって治療法を変えながら、最適な方法で治療を行っていますので、治療を希望している場合には、諦めずにまずは歯科医師に相談してみましょう。
外傷などの既往症にも注意
しかしながら、外傷性の既往症があるからといってインプラント治療が受けられないかというと、必ずしもそうではありません。インプラント治療の経験が豊富な歯科医師なら、既往症があっても、それを補う治療が出来る可能性もありますので、カウンセリングの際に既往症についてしっかり伝えるようにしましょう。