口内炎ができてしまった時、「ここ最近暴飲暴食していたからなあ」「野菜不足かな」と、食事面を気にされる方は多いと思います。
口内炎の原因はビタミン不足!なんて話もよく聞きますよね。しかし、口内炎ができる原因は食生活や栄養素の問題だけではないのです。おせんべいや固い食べ物を食べた際にできた切り傷や、歯で舌や頬の内側を噛んでしまった時の傷など、口内炎は傷から発症することもあります。こちらでは、傷から発症する口内炎についてと、どのようにケアをすればよいかなどをご紹介したいと思います。
傷から口内炎になるってどういうこと?
歯で舌や頬の内側を噛んだり、固いものや鋭いかたちの食べ物を食べてお口の中で刺さったり、歯科矯正や歯の詰め物などによってお口の中が傷ついてできる口内炎のことを「カタル性口内炎」といいます。カタル性口内炎の特徴としては、見た目に患部が赤く腫れあがっているというものがあります。また、赤い斑点がまだらにできることも特徴のひとつです。自分自身で患部を鏡で見てみると、腫れていかにも痛そうな様子をしています。舌で触ることもちろん、辛い物や酸っぱいものなど、刺激のあるものを食べると痛みを感じます。
傷から発症する口内炎は、お口の中でできた傷口から細菌が侵入し炎症を起こすことで発症します。通常は発症してから1~2週間ほどで完治するといわれていますが、発症後のケアや同じ箇所をさらに傷つけてしまうなどその後の状態によって治りは早くなったり遅くなったりします。口内炎ができる箇所によっては会話に支障がでたり、食事を楽しめなかったりと痛くて不便なことがありますから、万が一傷から口内炎になってしまった場合はいち早く治療をすすめていつも通りに会話や食事を楽しみたいものですね。
できた口内炎はどうすればいいの?
セルフ治療の方法
口内炎を早く治すためには、とにかくお口の中を清潔に保つことが大切です。口内の傷に細菌が入り込んで発症するカタル性口内炎ならなおさらです。
●マウスウォッシュ、デンタルリンスを使用する
歯磨き後にマウスウォッシュや洗口用のデンタルリンスを使用することで、口内の細菌を可能な限り除菌することができます。実は、歯磨きをしていてもお口のなかに細菌は残ってしまうものなのです。そしてその細菌は、寝ている間にどんどん繁殖していきます。
つまりは、寝ている間にお口の中の細菌が繁殖し、傷口である口内炎をまた炎症させてしまいかねないのです。そうならないためにも、あらかじめ口内の細菌を除菌し、お口の中を清潔に保つことが大切です。毎食時の歯磨き後や、夜寝る前にマウスウォッシュやデンタルリンスを使って丁寧に口をゆすぎましょう。
●患部は磨かない
カタル性口内炎が歯のすぐ下の歯ぐきにできてしまった場合、その部分は極力歯ブラシで磨かないようにしましょう。「磨かないなんて、汚れが落ちずに汚いのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それよりも、歯ブラシで口内炎の患部をさらに傷つけてしまうことの方が心配です。治りかけてきたなと思って歯ブラシでゴシゴシと磨いてしまうと、傷口がひらいてまた口内炎が再発してしまいかねません。
お口の中を清潔に保つことはとても大切なことですが、口内炎の患部に刺激をあたえることは好ましくありません。患部は避けて歯を磨くようにし、マウスウォッシュやデンタルリンス、また歯と歯の間の汚れを取るデンタルフロスなど、他の方法で清潔にするようにしましょう。
セルフ治療でなかなか治らない場合は?
しかし、いろいろとやっているのにどうも治りが遅いな……という場合は、もしかすると何か違った病気が隠れている可能性も否定できません。大概のカタル性口内炎は1~2週間ですっかり治ってしまうものなのに、3週間も1か月も痛いままという場合は、歯医者さんで歯科検診を受けてみてください。ただ単に治りが遅いのであれば良いですが、口内炎は病気のあらわれであることもあります。気になったときは、すぐに五十嵐歯科で診察を受けるようにしましょう。