喉の方にものが入るとオエッとなってしまう反応を「嘔吐反射」と呼びますが、この嘔吐反射には個人差があります。
嘔吐反射は、異物が食道の方に行かないようにするための体の大事な反応ですが、ときにその反応が強すぎて、歯ブラシで奥歯を磨くときにオエッとなってしまう、歯医者の治療の時に少し器具が入るだけでも吐き気を感じて辛い、という人もいます。
そのような方にとって、入れ歯、特に総入れ歯を入れることはとても辛い選択になってしまうことがあります。
オールオン4は、歯が全くない方に対応した治療法ですが、嘔吐反射が強い方にもとても向いている治療法です。
オールオン4が嘔吐反射の強い方に向いている理由
総入れ歯もオールオン4も、歯を全て失った人に対応している治療法ですが、両者における大きな違いとして、どのように人工歯をその場所に維持するか、という違いがあります。
総入れ歯の場合、支えるための歯がありませんので、歯茎・粘膜との「吸着」というものが重要になってきます。そのため、歯茎・粘膜を覆う床(しょう:入れ歯の歯茎の部分)の面積を広く取る必要があり、特に吐き気を催しやすい上あごの天井の部分を大きく覆わなければならないため、嘔吐反射の強い人では非常に吐き気を催しやすくなります。
一方、オールオン4の場合、人工歯を支えるのは、あごの骨に埋め込まれたインプラントですので、歯茎や粘膜部分に支えを求める必要がありません。そのため、歯茎の部分は失われた部分の歯茎を補う程度で、吐き気を感じる部分は覆いませんので、気持ち悪くなることなく、いつも快適にお使いいただくことができます。
治療中にも吐き気が出にくいように対処します
嘔吐反射の強い方は、歯医者で口を開けるのも大変だと思います。
当院では、嘔吐反射が強い方に対しては特に、治療中に嘔吐反射を起こさないよう、診療時の体勢に注意したり、処置の内容によっては必要に応じて表面の感覚を麻痺させる表面麻酔を使用したり、手術の際には点滴の鎮静法を行ったりなど、最大限の対処をいたしますので、嘔吐反射が強い方もお気軽にご相談ください。
歯を全て失った方、総入れ歯でお困りの方、全体的に歯がぼろぼろでお困りの方はぜひ一度五十嵐歯科医院までご相談ください。