入れ歯とインプラントの違い
ものを噛む時に働く「咀嚼筋」は、たとえば上腕などといった他の筋肉とは違った性質を持っています。具体的にどのようなところが違うのかというと、単純に曲げたり伸ばしたりする、というような働きをするのではなく、「歯の存在」があることで歯を停止線とし、はじめて筋力を発揮します。
そのため、人工歯根を骨に埋め込んで固定することでしっかりと噛めて筋力を活性化できるインプラント治療は、入れ歯よりも大きな筋力動作を作り出すだけでなく、そのことが脳を活性化し、唾液の分泌も促進してくれます。
結果的に、インプラントを入れることで、
- たるみ、シワができにくい
- 胃腸に負担をかけない
- 体幹バランスが整い転倒しにくい
- 認知症の予防効果がある
- 誤嚥性肺炎を起こしにくい
といった、様々なプラスの効果が期待できます。
入れ歯とインプラントの最も大きな違いというのは、「人工歯が固定されているかどうか」、というところです。
入れ歯の場合、歯茎の上に乗せているだけなので、どうしてもずれたり浮いたり、ということが起こって不安定になってしまいますが、インプラントは骨に埋め込んでガッチリ固定されているので動かず、天然歯のようにしっかりと安定して噛むことができます。
入れ歯とインプラントの違い
入れ歯の場合
◎メリット
- 保険適用だと安価
- どんなケースにも対応できる
- 修理が簡単
- 治療期間が短い
△ デメリット
- 部分入れ歯の場合、支える歯に過剰な負担がかかり、少しずつ歯が抜ける原因となる
- しっかりと強く噛めない(天然歯の15〜30%)
- 歯茎に違和感や痛みを感じやすい
- 入れ歯が唾液腺を圧迫し、唾液が出にくく、舌の動きが悪くなり、口が乾燥しやすい
- 顎の骨が痩せやすい
- 歯磨きの際、いちいち外す必要があり、面倒
- 多くの場合、数年で作り直しが必要になる
インプラント
◎メリット
- しっかりと骨に固定されるので、噛む力が天然歯の90%くらい取り戻せる
- しっかりと噛めて顔や首の筋肉も活性化する
- 舌が動かしやすく、唾液分泌が増える
- 顎の骨が痩せにくい
- 天然歯と同様のお手入れ方法なので、簡単
- お手入れ次第では半永久的に持たせられる
△ デメリット
- 保険適用がない
- 治療期間が長め(4〜12ヶ月)
- 手術が必要
以上のように、いずれの治療法にも、メリット・デメリットがあります。
メリット・デメリットは、個人の考え方によって受け取り方も変わってくるものですが、治療法を選択する際には、両方の特徴を十分に理解した上でじっくりと検討するようにしましょう。
メリット・デメリットは、個人の考え方によって受け取り方も変わってくるものですが、治療法を選択する際には、両方の特徴を十分に理解した上でじっくりと検討するようにしましょう。