入れ歯を日常的に使っている人は、装着感に不満な点がある人も珍しくありません。
しゃべっている時グラグラと動いたり、ものを食べている時には外れたりすることもあるのが入れ歯です。そんな入れ歯の噛み心地に関する不満を解消する方法として、インプラント治療があることをご存知でしょうか。ここではとくに、部分入れ歯とインプラントを組み合わせて、噛み心地を改善する方法について詳しく解説します。
入れ歯が安定しない理由とは
例えば、たくさんの歯を失った症例では、部分的に粘膜のみで入れ歯を支える必要が出てきます。すぐ近くに、クラスプなどの留め金を引っ掛ける支台歯がないからです。そうすると、ものを噛んだり、会話中に口を複雑に動かしたりすることで、入れ歯は容易に動いてしまうのです。これが総入れ歯だったら、不安定感がさらに増します。そこで有用となるのがインプラントですね。
インプラントには人工歯根がある
そもそもインプラントというのは、1本の歯を失った場合に、1本のインプラント体を埋め込む治療法のように思われがちですが、実はそうではありません。例えば、すべての歯を失った症例では、たった4本のインプラントを埋め込むだけで、すべての人工歯を支えることも可能なのです。これを専門的には、オールオン4と呼んでいます。4本のインプラント体で、総入れ歯を支えるような形となる治療法で、総入れ歯よりも噛み心地が良好といえます。
インプラントを1本追加するだけで噛み心地が大きく変わる
この入れ歯でものを噛んだ場合を想定してみましょう。おそらく、歯が残っている左側でしっかりと噛むことができ、右側は浮き上がってしまうのがイメージできるかと思います。なぜなら、右側には入れ歯を支える部分が歯肉しかないからです。こういった症例に、1本のインプラントを追加することで、噛み心地が大きく改善されることがあるのです。1本も残っていなかった右側部分に、1本のインプラントが追加されることで、部分入れ歯の安定感が大きく増すというのは、何となくイメージできることかと思います。
入れ歯の噛み心地はいろいろな方法で改善できる
歯科的な観点から見てもあまり良くないのは、噛み心地の悪い状態で、入れ歯を使い続けることです。患者さんによっては、今使っている入れ歯が最良のものと思い、噛み心地の悪さなどを感じても不満をもらさない方も珍しくありません。けれども、入れ歯というのは絶えず変化します。入れ歯そのものが経年劣化するだけでなく、入れ歯を支える歯肉や顎の骨も加齢で吸収されることもあるからです。入れ歯の噛み心地に違和感などが生じたら、まず歯医者に相談してみましょう。
合わない入れ歯を使い続けるとどうなるの?
まとめ
もちろん、症例によってはインプラントを埋め込めない場合もありますので、気になる方はまず、かかりつけの歯科に相談してみましょう。