歯周病の恐さを知っているのに、インプラント周囲炎を軽く考えている人は少なくありません。
しかしインプラント周囲炎は、病気の恐ろしさでは歯周病とまったく同じです。
というのは、インプラント周囲炎の「終着駅」は、歯周病と同様にインプラントの脱落だからです。インプラント周囲炎を発症すると徐々に顎の骨が溶けていくので、インプラントを支えられなくなるのです。インプラント周囲炎の兆候と症状などについて詳しく解説します。
なぜインプラント周囲炎は軽くみられているのか
それには主に次の2つの要因がありそうです。
●インプラントは病気にかからないと思っているから
●名称から「インプラントの周囲が炎症するだけの病気」と誤解されているから
インプラントはチタンですので、虫歯になりません。また歯周病菌もインプラントを溶かすことはできません。
しかしだからといってインプラントに虫歯菌や歯周病菌を叩く効果があるわけではありません。つまりインプラント自体は病気にかからなくても、インプラントに接触している歯肉や顎の骨は最近の攻撃にさらされます。とにかくインプラントを入れている方は、今日から「インプラント周囲炎はとても怖い病気」と認識するようにしてください。
インプラント周囲炎の兆候の特徴は「兆候がないこと」
これは歯周病とはまったく異なる傾向です。歯周病では初期段階から歯肉に小さな刺激を与えただけで簡単に出血します。初期の兆候がみえにくいインプラント周囲炎なのですが、病気の進行はとても速く、歯周病の10~20倍のスピードで悪化するといわれています。
インプラント周囲炎の兆候をつかむには
しかし、インプラント周囲炎の兆候をつかむ方法があります。それは歯科クリニックでチェックしてもらうことです。インプラント周囲炎が発症している場合、歯医者がインプラントと歯肉の間を専用に器具で刺激するとジワっと出血します。インプラントに異常がなければ、その程度では出血しないので、出血したらインプラント周囲炎を疑うことになります。
インプラントがぐらつく
しかしインプラント周囲炎が悪化すると、インプラントがぐらぐら揺れるようになります。もし指でインプラントを押してみて少しでも動くようでしたら、早急に歯医者に診てもらう必要があります。
なぜインプラント周囲炎が起きるのか
歯磨きは最低1日3回、できれば4回
- 歯磨きは最低でも毎食後、1日3回は磨いてください。そして晩御飯を早く済ませて早く夜の歯磨きをしたときは、夜寝る前にもう一度歯磨きしてもいいくらいです。
- 会社員は社内に歯磨きをする場所がないと、ランチ後に歯磨きをせずにすごしてしまうかもしれませんが、それは回避してください。また、夜、会食会があって外食するときも食後の歯磨きを怠りがちです。歯ブラシを携行するようにしましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシを使う
- 1日4回の歯ブラシでも、インプラントを入れた方には十分ではありません。
- デンタルフロスまたは歯間ブラシもしっかり使ってください。
- 細菌は歯ブラシの毛が届かないところに潜んでいます。それを取り除けるのはデンタルフロスか歯間ブラシだけです。
不規則な生活や喫煙はNG
またタバコはNGです。禁煙しましょう。
タバコは血管を収縮させる効果があります。血管が収縮すると血液の巡りが悪化します。血液の流れが滞ると細胞に栄養と酸素が届かず、細菌に打ち負けてしまいます。
この状態を「抵抗力が落ちた」「免疫力が落ちた」といいます。それではインプラント周囲炎を引き起こす細菌を叩くことができません。
まとめ~4つの恐さに打ち勝つにはセルフケアが大切
インプラントを入れた方は、「自分も発症するかもしれない」という危機感を持ってインプラントのケアを行ってください。
当歯科医院は、患者様一人一人に対して、全ての器具を滅菌しています。手袋など、手用器具も、全て患者様ごとに廃棄しています。院内では、施術場所に、空気洗浄機が備えてあり室内空調を管理しています。インフルエンザウイルスの防備に最善を尽くしております。
また、体調管理の為、インプラント 抜歯時や、歯科治療時に、歯科麻酔医が、モニターで、血圧、心電図などを把握して、点滴を行い痛みの軽減、施術部位の腫れを必要最小限に抑える歯科医療を行なっております。