歯を失ってしまった場合の治療法には、入れ歯やインプラントなどがあります。
これらは、今までの自分の歯の代わりとなり体の一部として機能してくれるのですが、それぞれの人工歯には寿命があります。人工歯の寿命は入れ歯で約3~5年、インプラントの場合は約10年と言われています。
しかし、この寿命はメンテナンス次第では大きく下回ってしまうのです。インプラントの場合、約90パーセントの人が10年後も問題なく機能しているといわれていますが、見方を変えると約10パーセントの人は10年以内にダメになってしまっているのです。今回は、インプラント治療の1つであるオールオン4の寿命についてお話しいたします。
その習慣がオールオン4の寿命を縮めている!
では、この差は一体どこから生まれるのでしょうか。歯医者さんでの治療が問題なく完了していた場合、この差はその後の「メンテナンスの質」や「生活習慣」の違いにあると言えるでしょう。
このような習慣はありませんか?あてはなることがあれば、オールオン4の寿命を縮めている可能性が高いです!
喫煙
オールオン4に限らず、喫煙はインプラントの大敵である歯周病になるリスクを高めます。タバコに含まれる有害物質は歯茎の血流を悪くさせ、唾液の分泌や免疫力も低下させてしまいます。タバコはオールオン4をしていなくても口内環境にとって良くないことばかりなので、やめましょう。
アルコールの飲み過ぎ
お酒には利尿作用があるので、毎日たくさん飲んでいる場合は体内の水分量が少なくなり口内が乾燥している状態になります。口内が乾燥していると細菌が繁殖しやすくなってしまい、歯周病の原因になってしまいます。
歯ぎしり
天然の歯には衝撃を和らげる「歯根膜」と言われる部分があります。しかしオールオン4をはじめ、インプラントには天然の歯にあるこの歯根膜のようなクッションの役割をする機能がありません。そのため、歯ぎしりをしている場合はその衝撃が直接顎の骨に影響を与え骨の吸収を早めてしまうことがあります。
食生活の乱れ
だらだら食べていたり糖質を多くとることが習慣となっている場合は、歯垢がたまりやすくなり、インプラント周囲炎を招く危険性があります。また、食生活の乱れは糖尿病になるリスクも高くなります。糖尿病は歯周病の原因にもなるので注意しなければなりません。
歯磨き、メンテナンス不足
当然ですが、磨き残しがあって口内の清掃が不十分な状態が続けば、インプラント周囲炎になるリスクは高くなります。セルフケアでの不十分な部分は歯医者さんで定期的にメンテナンスとうけることで補えますが、これも怠ってしまうと最悪の場合はインプラントがぬけ落ちてしまいます。
メンテナンスの重要性
自宅では、食後や寝る前の歯磨きは必須ですし、その際は歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシも使って時間をかけて丁寧に磨くことを心がけましょう。人工歯の部分よりもインプラントと歯茎の間を意識して磨くことでインプラント周囲炎の予防につながります。
歯医者さんでの定期検診では、磨き残しなどをチェックして口内の清掃を行ってもらえますが、他にも噛み合わせや破損がないかなどもチェックします。噛み合わせが偏っているとどこか一箇所にのみ力が加わり、インプラントの破損を招く危険があります。
正しい習慣を身につけよう
正しい生活習慣を身につけて丁寧に歯磨きをすることは、慣れるまでは面倒に感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、一度習慣化することができれば継続することは難しいことではないでしょう。オールオン4治療の成功率は、技術の進歩により95パーセント以上と高い確率で成功しています。この結果を長持ちさせるか、寿命を縮めてしまうかは治療後のケアにかかっているのです。