餅は餅屋という言葉があるように、歯のことは歯医者に任せるのが一番であることは変わりません。
しかし、オールオン4治療後は定期的に歯科医師によるメンテナンスを受けるとは言え、何もかも人任せというのは正しくありません。オールオン4治療後は「ホームケア」も重要であるということを解説します。
「オールオン4は人工歯だからケアなんて不要」は大きな間違い!
確かにインプラントの人工歯は人工物なので、虫歯によって溶かされるということはありません。しかし、インプラントの特性上、「歯周病」との相性が非常に悪いのです。歯周病とは歯と歯肉の間に細菌が入り込んで炎症を起こす病気ですが、最終的に歯を支えている骨である「歯槽骨」を溶かしています。支える土台が溶かされることで歯がぐらつき、最終的に健康な歯であっても抜け落ちてしまうのが歯周病の怖いところです。
オールオン4やインプラントは、専用の土台を骨に埋め込んで人工歯を固定しています。支えている金属は歯周病菌に負けることはありませんが、周囲の骨は容赦なく溶かされてしまいます。結果、インプラントを支えている周囲の骨が溶かされてインプラントがぐらついてしまい、最後には抜けてしまうのです。
治療後は定期的に歯医者に通院を
定期的に通院してメンテナンスを受けることで、インプラントが致命的なダメージを受ける前にそれを遮断できます。インプラントの寿命は一般的に10年であるとされていますが、きちんとメンテナンスを継続した人はその何倍もインプラントを長持ちさせているのです。
メンテナンスを怠ると「インプラント歯周炎」のリスクが高まります。インプラントを埋め込むと天然歯よりも周囲の歯茎への血流が悪化します。これにより細菌感染のリスクが高まり、歯周病を起こしやすくなるのです。インプラント歯周炎は初期段階での自覚症状が少なく、違和感が強くなった頃には歯周病がかなり進行しているケースが多いです。
オールオン4では「ホームケア」も重要
ホームケアの中心となるのは「歯磨き」です。特にインプラント歯周炎などのトラブルを避けるためには「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」といった、歯と歯の間の掃除に役立つグッズを使用することが必要になります。細かな汚れもできるだけ取り除くことで歯周病などのリスクを減らすことに繋がります。
歯磨きに関しては「力を入れすぎない」ことも重要です。ブラッシングに力が入ってしまうと、人工歯や歯茎を傷つける原因となり、オールオン4の寿命にも悪影響を及ぼす可能性があります。力を入れなければ落とせないような汚れは歯石化している可能性がありますので、歯医者で除去してもらってください。
また、小さくても違和感を感じたら歯医者で診てもらうことをお勧めします。定期的にメンテナンスを受けて、歯磨きをしっかりしていても、歯周病のリスクをゼロにすることはできません。早い段階で治療できれば少ない負担で完治させることができ、オールオン4への影響も最小限で済みます。
ケア以外で自宅で行える対策
また、極端な噛み癖があれば改善する必要があります。例えば「左の歯だけで噛む癖」などです。これは一部分に過度な負荷がかかってしまうことによって、オールオン4の破損を招く要因となります。癖になっていると意識してもなかなか治しにくいのですが、噛み癖を改善してオールオン4全体に均等に負荷がかかるような噛み方にしましょう。