インプラントは外科手術を伴うため、術後の食事について気になるところです。
術後の食事は何を食べても大丈夫なのか、逆に控えなければいけないものなど、インプラント術後の食事で気をつけなければならないことを中心にご紹介します。
インプラント手術後の状態
インプラント手術は麻酔の注射を打ち、顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋入したあと歯ぐきを糸で縫合します。そのため傷口が治るまでは食事等に気をつける必要があります。基本的に通常の抜歯のあとと過ごし方は似ています。しかし、通常の抜歯と比較して大きく異なることは、失った部分に再び人工歯根が入ることです。抜歯は抜いてしまったあとは何もない状態になりますが、インプラントは逆に失った部分にインプラント体を埋入するため、抜歯後よりも食事に気をつけなければいけない部分が出てきます。
インプラント手術後の食事の注意点
また切開した歯ぐきは糸で縫合してありますが、何らかのきっかけで糸が抜けてしまって、そこから細菌感染する恐れがあります。食べ物がひっかかったりしないよう、十分注意して食事をするようにしましょう。
またしばらくの間は、インプラント手術を行った反対側の歯で噛むようにすることも大切です。
術後に適した食事
インプラント手術後2~3日はまだ柔らかいもののほうが良いでしょう。当日はおかゆやスープ、柔らかく煮込んだうどん、雑炊、ヨーグルト、ゼリー飲料などあまり噛まなくてよいものにするほうが無難です。特に両方の顎の骨にインプラントを埋入した場合やオールオン4などの場合は、しばらくこのような食事内容がよいでしょう。
控えたい食べ物とは
極端に硬いものは、インプラント体や人工歯だけでなく、ご自身の歯そのものが割れてしまう可能性があります。氷やアメなどは噛み砕かないようにし、ナッツ類、固焼き煎餅、フランスパンやシュトーレンなどの固いものはできるだけ控えたほうが無難です。フランスパンなどは、小さく切ってスープに入れ、ふやかして食べると栄養も摂れるのでおすすめです。
またわさびやからし、激辛料理など、香辛料が強い刺激物は控えるようにしましょう。出血や腫れ、痛みなどの原因になってしまいます。また酸っぱいもの、甘いものも傷口を刺激しやすいため、1週間ほどは控えめにして下さい。
そして術式によってインプラント手術当日に仮歯を入れることもありますが、仮歯は取れやすいため、あまり仮歯で噛まないほうがよいかもしれません。特にお餅やキャラメルなどといった粘着性の強いものや硬いものは、仮歯が取れたり割れたりする原因にも繋がり、埋め込んだインプラント体にも少なからず影響が出る可能性があります。
アルコールは控えめに
アルコールの好きな方には少し辛いかもしれませんが、傷口の炎症や血管の収縮による出血の可能性があるため、インプラント手術当日を含め、1週間ほどは控えておくのをおすすめします。
その他インプラント手術後に気をつけなければならないこと
入浴、激しい運動は控える
まずインプラント手術当日はさっとシャワーを浴びる程度にして、入浴は控えましょう。また激しい運動しないようにしましょう。いずれも血行が良くなりすぎることで、傷口の治りに影響してしまいます。
タバコを控える
喫煙は、インプラント成功に大きく関わります。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、顎の骨とインプラント体の結合に影響が出てしまう恐れがあります。また歯周病を悪化させる原因にもなります。インプラントだけでなくお口の中全体、そして全身の健康のためにも禁煙することをおすすめします。
歯みがきに注意
インプラント手術後に最も気をつけなければいけないことは、口腔内の衛生管理です。特にインプラント周囲炎は口腔内の衛生管理と定期的なメンテナンスが非常に大きく関わります。しかしインプラント一次手術後はまだ傷口が塞がっておらず、腫れが残っている状態です。また糸で縫合しているため、歯ブラシの毛先に糸が引っかかってしまうこともあります。抜糸が済むまでは食事とブラッシングの仕方に注意し、口腔内の衛生管理に気をつける必要があります。
最終的な人工歯を装着したあとは、入念なセルフケアがより重要です。食べかすが付着したままだとプラークが形成され、歯周病菌が増殖しやすくなり、インプラント周囲炎を引き起こしてしまいます。インプラントを長持ちさせ、快適な生活を送ることができるよう、口腔内のケアに十分気をつけてください。
術後の食事に注意し、快適な生活を送りましょう