インプラント治療には手術が伴います。
そのため、歯ぐきを切開するなどの工程も入ってきます。それに伴い、身体の外科手術と同様に縫合、抜歯といった施術も含まれます。では、このような縫合、抜歯はインプラント治療のどのタイミングで行われるのでしょうか?今回はインプラント治療の流れと縫合、抜歯についてご紹介していきます。
歯ぐきを切開するのはいつ?
術式によっても異なりますが、インプラントを骨に埋め込む際、まず、はじめにインプラントの埋め込む位置の歯ぐきを切開します。最近では、インプラントを埋め込む位置がずれないようステントと呼ばれるマウスピースに穴が開いたガイドとなる器具を使用するケースもあります。
従来は歯科医師の技術に頼っていた部分でもありますが、近年では、コンピューターによって自動でインプラントを埋め込む位置、方向をシミュレーションしたステントを製作してくれる技術もあります。
歯ぐきを縫合するタイミング
インプラントはチタンという素材を使用することが多いですが、これはチタンが骨と結合しやすい特性があるためです(オッセオインテグレーションと呼ばれています)。この期間は約3~6カ月が必要と言われています。
縫合によって傷口がふさがっているとはいえ、強い力が加わってしまうと、傷口が開き雑菌が入ってしまう恐れもあります。食事の際には、固いものを傷口で噛まないよう注意をしましょう。インプラント手術の2~3日目くらいまでは、ヨーグルト、スープ、豆腐、おかゆなど歯への負担が抑えられる食事メニューを心掛け、刺激の強い食べ物やアルコールも控えることが大切です。
また、歯磨きの際にもブラシが傷口に当たらないよう注意をしましょう。歯ブラシには雑菌が繁殖していることもあります。歯磨きによってお口の中の衛生環境を整えることが出来るので、丁寧さは必要ですが、歯間ブラシ、そしてうがい薬を併用するなどしっかりお口のケアを行うことが大切です。
また、手術直後は傷口からの出血を防ぐためにも激しい運動は控え、安静に過ごして傷口への負担を抑えながら生活を送るようにしましょう。
インプラント治療で使用される器具は安心
モノフィラメントのナイロン糸やゴアテックスの糸が使用されるケースもあります。縫合糸が自然に溶けて体内に吸収される吸収糸というタイプもありますが、こちらはあまり使用されていません。お口の中は食べ物を噛むなど、強い力が加わります。そのため、強度が劣る吸収糸では、抜糸前に糸が取れてしまう恐れがあるためです。
抜糸をするタイミングは?
それでも、インプラント手術用の縫合糸は汚れにくい素材のため数週間付けていても問題はないとされています。抜歯を行うまでの間は感染症等を防ぐため、消毒液でお口の中の衛生環境を保ちます。抜歯をした後も歯ぐきが完全に治癒しているわけではないので、注意深く様子を見ていく必要があります。
まとめ
インプラント手術を不安に思う方もいるかもしれませんが、手術では縫合をしっかり行うことから、出血が止まらないなどの症状は出ないため、安心して手術を受けられます。インプラント手術後は担当の歯科医師の指示通りに生活を送ることが大切です。